Kubernetesは、同一の物理クラスター上で複数の仮想クラスターの動作をサポートします。
この仮想クラスターをNamespaceと呼びます。
Namespaceは、複数のチーム・プロジェクトにまたがる多くのユーザーがいる環境での使用を目的としています。
数人から数十人しかユーザーのいないクラスターに対して、あなたはNamespaceを作成したり、考える必要は全くありません。
Kubernetesが提供するNamespaceの機能が必要となった時に、Namespaceの使用を始めてください。
Namespaceは名前空間のスコープを提供します。リソース名は単一のNamespace内ではユニークである必要がありますが、Namespace全体ではその必要はありません。
Namespaceは、複数のユーザーの間でクラスターリソースを分割する方法です。(これはリソースクォータを介して分割します。)
Kubernetesの将来的なバージョンにおいて、同一のNamespace内のオブジェクトは、デフォルトで同一のアクセスコントロールポリシーが適用されます。
同じアプリケーションの異なるバージョンなど、少し違うリソースをただ分割するだけに、複数のNamespaceを使う必要はありません。
同一のNamespace内でリソースを区別するためにはラベルを使用してください。
Namespaceの作成と削除方法はNamespaceの管理ガイドドキュメントに記載されています。
ユーザーは、以下の方法で単一クラスター内の現在のNamespaceの一覧を表示できます。
kubectl get namespaces
NAME STATUS AGE
default Active 1d
kube-system Active 1d
kube-public Active 1d
Kubernetesの起動時には3つの初期Namespaceが作成されています。
default
他にNamespaceを持っていないオブジェクトのためのデフォルトNamespacekube-system
Kubernetesシステムによって作成されたオブジェクトのためのNamespacekube-public
このNamespaceは自動的に作成され、全てのユーザーから読み取り可能です。(認証されていないユーザーも含みます。)一時的な要求のためにNamespaceを設定したい場合、--namespace
フラグを使用します。
例:
kubectl --namespace=<insert-namespace-name-here> run nginx --image=nginx
kubectl --namespace=<insert-namespace-name-here> get pods
ユーザーはあるコンテキストのその後のコマンドで使うために、コンテキスト内で永続的にNamespaceを保存できます。
kubectl config set-context $(kubectl config current-context) --namespace=<insert-namespace-name-here>
# Validate it
kubectl config view | grep namespace:
ユーザーがServiceを作成するとき、Serviceは対応するDNSエントリを作成します。
このエントリは<service-name>.<namespace-name>.svc.cluster.local
という形式になり,これはもしあるコンテナがただ<service-name>
を指定していた場合、Namespace内のローカルのServiceに対して名前解決されます。
これはデベロップメント、ステージング、プロダクションといって複数のNamespaceをまたいで同じ設定を使う時に効果的です。
もしユーザーがNamespaceをまたいでアクセスしたい時、 完全修飾ドメイン名(FQDN)を指定する必要があります。
ほとんどのKubernetesリソース(例えば、Pod、Service、ReplicationControllerなど)はいくつかのNamespaceにあります。
しかしNamespaceのリソースそれ自体は単一のNamespace内にありません。
そしてNodeやPersistentVolumeのような低レベルのリソースはどのNamespaceにも属していません。
どのKubernetesリソースがNamespaceに属しているか、属していないかを見るためには、以下のコマンドで確認できます。
# Namespaceに属しているもの
kubectl api-resources --namespaced=true
# Namespaceに属していないもの
kubectl api-resources --namespaced=false
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