課題
China Unicomは、中国でトップ3の通信事業者の1つであり、その3億人のユーザーにサービスを提供するために、2016年以来
VMWare、
OpenStackのインフラや
Dockerによるコンテナ化を用い数千のサーバーのデータセンターを複数運用しています。残念なことに、「リソース使用率は相対的に低かった」と、プラットフォーム技術のR&D部門のグループリーダーであるChengyu Zhangは語っています。「そして、私たちには何百ものアプリケーションに収容できるクラウドプラットフォームがありませんでした。」以前は完全な国有企業だったChina Unicomは、近年BAT(Baidu、Alibaba、Tencent)およびJD.comからの民間投資を受け、いまや商用製品ではなくオープンソース技術を活用した社内開発にも注力しています。そこで、ZhangのChina Unicomの研究開発チームは、クラウドインフラ用のオープンソースオーケストレーションツールを探索し始めたのです。
ソリューション
急成長し、オープンソースコミュニティも成熟しているKubernetesはChina Unicomにとって自然な選択となりました。同社のKubernetes対応クラウドプラットフォームは、現状の50のマイクロサービスに加え、これから新たに開発されるすべてをここでホストしていくそうです。「Kubernetesが私たちのクラウドインフラの経験値を上げてくれました」とZhangはいいます。「今のところこれに代わるテクノロジーはありません。」また、China Unicomはそのマイクロサービスフレームワークのために、
Istio、
Envoy、
CoreDNS、そして
Fluentdも活用しています。
インパクト
KubernetesはChina Unicomの運用と開発、両方について効率を高めてくれました。
リソース使用率は20〜50%上がり、ITインフラのコストも削減され、数時間かかっていたデプロイ時間は5〜10分にまで短縮されました。「こうすることができたのはおもに自己修復機能(self-healing)とスケーラビリティによるもので、これらによって私たちの運用や保守の効率を向上させることができるのです」とZhangは言います。「たとえば、私たちのシステムは今たった5人で保守されているのです。これほどの短期間でここまでのスケーラビリティを達成できるとは思いもよりませんでした。